教材の使い方4 新学習指導要領といーらぼ発達支援教材

いよいよ2020年から新学習指導要領が小学校で全面実施となります。社会の変化や教育観の変化に合わせ10年ごとに改訂さていますが、今回のポイントは発達支援を考える上でいくつか気になる点もあります。
そこで今回は、新学習指導要領と「いーらぼ発達支援教材」の関連についてお話しします。

 

■活きて働く知識・技能の習得

今回の改訂ではいくつかの重要なキーワードが示されていますが、その中に「活きて働く知識・技能の習得」があげられています。

しっかりとした知識を覚え身につけることはこれからも重要とされます。ただその知識は、知っているだけでなく「活きて働く知識」であることが求められています。合わせて「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」も柱となっており、今後テストなどでも、覚えただけでは解けない問題の出題が増えてくることが想定されます。

覚えるだけで精一杯というお子さんたちに、どう理解させ働きかけていくかが、発達支援を考える上では重要なポイントになるでしょう。

 

■アクティブ・ラーニング

また学び方としては、主体的・対話的で深い学び=「アクティブ・ラーニング」が柱となっています。以前のように一斉に授業を聞いて学ぶというスタイルから脱却し、子ども自らが主体的に課題に向き合い、対話を通して学びを深めていくスタイルへの大きな変革となります。

発達支援をしていますと、「会話が苦手」でグループ活動では本来学ぶべき学習内容が身につきにくいというお子さんに出会うこともしばしばあります。また、与えられた課題には対応できるが、自分で何かを作り出すことが苦手というお子さんも少なくありません。
そのような中、このような苦手さを持つお子さんに対して新しい学習指導要領をどう位置づけ活用していくのかが問われているといえます。

 

■いーらぼ発達支援教材は新学習指導要領の土台となる

このような変化に対応するための土台づくりとして活用いただけるのが、弊所の「いーらぼ発達支援教材」シリーズです。「発達支援」とはついていますが、実際にはより多くのお子さんにご活用いただける内容となっています。

『ことばトレーニング 会話・読解編』は、「知識としてのことばから、活用することばへ」をコンセプトに作成していますので、まさに新学習指導要領の「知識を活かす」に合った教材といえます。
また、「相手の意図を汲み取りながら会話する」などの本書の内容は、対話が重視されるアクティブ・ラーニングという学習方法をより有効にはたらかせるためにも、重要な内容といえるでしょう。

あわせて、相手の話をしっかりと聞いて考える力の育成に『聞く力トレーニングブック』シリーズも有効です。読み聞かせ型の教材で、ワーキングメモリーを活用する問題から、日常の会話の聞きとりまで、幅広い問題が収録されています。
上記の『会話・読解編』と合わせ、新たな学びの土台づくりとして充分ご活用いただけるでしょう。

また、思考力育成には『読む力トレーニング』シリーズが最適です。「計算のない文章題」をコンセプトにした本教材では、じっくり深く考える力を伸ばし、論理的な思考力の向上をはかります。「主体的な学び」により子どもたちが発見した課題に対して、どのように考え、どのような筋道で答えを導き出せばよいのか。その思考力の基礎を養うのにご活用いただけます。

 

■特別の教科「道徳」の扱い

小学校では道徳の教科化がすでに実施されています。その中で「道徳的価値を自分事として理解し、多面的・多角的に深く考える」ことの大切さがいわれています。

弊所の『10歳からのソーシャルスキルトレーニング』は、お子さんがつまずきやすい場面を想定したショートストーリーを収録し、それを読みながら主には支援者と話し合い進めていくタイプの教材です。

多くのソーシャルスキルトレーニングの教材が「こういう時にはどうする」でとどまっているのに対し、本教材は、「自分に同じようなことがあったかどうか」「自分だったらこの場合どうするか」「本来社会的にどうすべきなのか」を多面的・多角的に考えられるよう構成されています。

近年、道徳教育においてソーシャルスキルトレーニングが活用されることも増えてきたことから、本教材には学習指導要領との対照表もつけ、より教育現場で活用しやすいよう配慮しています。

 

新学習指導要領の完全実施にともない、その土台として「いーらぼ発達支援教材」シリーズをより広くお使いいただくことで、多くのお子さんの「新たな学び」につなげていただけたら幸いです。

2019/07/18掲載

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